育休中の金銭面は大丈夫?育児給付金や税免除について研究!

制度

こんにちは。パパ育ラボTa室長です。
ママや子のために育児休業を取得したい。そう思っているものの…収入が減ってしまうことが心配で取得に踏み切れない、と感じてしまう方が多いかもしれません。
たしかに、育児休業中は会社からの給与はないことがほとんど。
しかし、給付金などを使用することで100%とまでは難しいですが、月収の約80%ほどまかなうことが可能です。

こちらの記事にて、パパが取得できる詳しい制度や申請方法などを解説していきます。

育児休業中にもらえるお金について

基本的に「雇用保険」の被保険者の方が「育児休業」を取得し、一定の要件を満たす場合に「育児休業給付金」の支給を受け取ることができます。
フリーランスの方などは「雇用保険」自体に加入していないためそもそも育児休業を取得することができないため給付金はありません。

名称の違いについてまとめ

・育児休業給付金
 →育児休業を取得したときに給付される

・出生時育児休業給付金
 →産後パパ育休(出生時育児休業)を取得したときに給付される

・育児休業手当金
 →公務員が共済組合から支給される場合に支給される

・出産手当金
 →産前6週間、産後8週間のいわゆる産休に対して設けられた給付金。ママのみが対象。

・出産育児一時金
 →出産にかかる費用の負担軽減のために50万円(2023年4月改定)が一時金としてもらえる。会社が加入している健康保険組合などに申請をすることで、退院する際に出産費用の支払いを自動的に支払ってくれることも可能。ママのみが対象。

育児休業と育児休暇の金銭的違い

「育児休業」とは育児・介護法に定められた休業制度のこと。会社からの給与はありません。
一方で「育児休暇」とは各会社が独自に定めている育児のための休暇のこと。有給・無給は会社によってことなり、期間や取得方法の自由度が高い場合があります。

育児休業給付金の受給条件

育児休業給付金を受け取ることができるのは、下記の条件をすべて満たす方が対象となります。

もちろん、育児休業を取得するパパもママも対象となります。

1.育児休業開始日前2年間に賃金支払基礎日数が1ヶ月ごとに11日以上あり、その月数が12ヵ月以上あること

2.育児休業期間中の就業日数が1ヶ月ごとに10日以下、もしくは10日を超える場合は就業時間が80時間以下であること

3.育児休業期間中の1ヶ月ごとに、休業開始前の1ヶ月あたりの賃金の8割以上の賃金が支払われていないこと

4.有期雇用契約の場合は、同じ事業主のもとで1年以上継続して働いており、かつ、子が1歳6ヶ月に達する日までにその労働契約が満了することが明らかでないこと

育児休業は、子を養育するために就業義務を免除する制度になります。そのため育児休業中に育児休業給付金を受給するためには、労働することは原則できません。

しかし、事業主と雇用者が双方に同意があり、かつ、子の養育を必要としない期間については一時的・臨時的ににその事業主のもとで労働することが可能です。
ただし、上記の条件に基づき、就労日数は月10日以下(10日を超える場合は80時間以下)にする必要があります。

※毎月勤務しているなど、恒常的・定期的に働いている場合は育児休業を取得しているとは見なされずに給付金の対象から外れてしまうのでご注意ください。

育児休業給付金の受給期間とその金額

受給対象の期間

基本的な考え方は、受給できる期間と育休取得期間は同じになります。特に男性は産休手当金などもないため、シンプルに考えて問題ありません。
また、産後パパ休業(出生時育児休業)やパパ・ママ育休プラスなどを取得した場合もその期間、育児休業給付金を取得することが可能です。

育児休業給付金でもらえるお金

基本的な考え方は、育児休業がスタートしてから180日(6ヶ月)までは賃金(月)の67%を受給でき、それ以後は50%となります。
ただしそれぞれ上限があることも知っておきましょう。
180日(6ヶ月)までは30万5,319円、それ以降は22万7,850円が上限になります。
 ※この金額は毎年8月1日に改変される

[受給額の計算方法]

取得者の育児休業開始時の賃金 × 支給日数 × 67%(or 50%)

[育休開始時の賃金日額]

事業主がハローワークに提出する「休業開始時賃金月額証明書」に基づき決定します。
厚生労働省によると次の通り算出されます。

休業開始時賃金日額の算定に当たっては、基本手当の場合と同様に賃金締切日の翌日から次の賃金締切日までの間を1か月として算定し、当該1か月間に賃金支払基礎日数が11 日以上ある月を完全賃金月として、休業開始時点から遡って直近の完全賃金月6か月の間に支払われた賃金の総額を180 で除して得た額を算定することとする。

厚生労働省職業安定局雇用保険課「業務取扱要領」

要するに、
育児休業開始前の6ヶ月(会社ごとの賃金締日で区切った1ヶ月間×6ヶ月)の賃金合計を180で割ることで賃金日額を算出するということです。

下記にておおよその目安となる給与や受給額をご確認ください。

育児休業前の賃金育児休業開始から180日まで育児休業開始から180日以降
20万円13万4,000円10万円
25万円16万7,500円12万5,000円
30万円20万1,000円15万円
35万円23万4,500円17万5,000円
40万円26万8,000円20万円
45万円30万1,500円22万5,000円
50万円30万5,319円(上限のため)25万円
[表] 育児休業給付金の目安受給額 ※それぞれ30日間で算出

育児休業給付金を受け取れるタイミング

諸々の申請が終わり「支払決定日」から1週間程度で所定の口座に振り込まれます。
ハローワークから会社を経由して「育児休業給付金支給決定通知書」というものが届きますのでそちらにて具体的な日付を確認できます。
育児休業給付金は2ヶ月分をまとめて支給されるので初回の給付金の入金は、取得から3ヶ月程度であることが一般的です。
ママの場合は産前・産後休業(8週間)が終わってからになるため、出産から4ヶ月程度かかります。

それまでは一時的に生活費が逼迫される可能性があります。これまでの貯蓄などでまかなう必要があります。

育児休業中の税金や社会保険料について

育児休業中は所得税や社会保険料の免除がある

育児休業給付金を受給するにあたって所得税を支払う必要はありません。また健康保険・厚生年金保険の保険料が免除されます。この点が給与の80%ほどがまかなうことができると言われる所以ですね。

育児休業中は、保険料を支払っていなくても通常の保険を使用することもでき、免除期間も保険料を納めた期間としてカウントされていますのでご安心ください。

ただし、住民税に関しては支払う必要がありますのでご注意ください。その支払い方法も会社によってことなり、会社が立て替えてくれており復職後に給与から引かれる場合もあります。この点も取得前に確認しておけるとよいでしょう。

住民税を支払うことが難しい場合

自治体によっては、支払いの猶予が認められる場合があります。経済的に不安な場合は自分が住んでいる自治体に確認してみましょう。

育児休業中の就労に伴う賃金の発生について

育児休業給付金の要件にもある通り、一時的・臨時的であれば事業主の元で就労可能です。
その際に事業主から賃金が支払われた場合、育児休業給付金は次のように支給されます。

[引用:厚生労働省「育児休業、産後パパ育休や介護休業をする方を経済的に支援します」
    厚生労働省「育児休業中の就労について」

事業主より支払われる給与によって減額措置が適応されるようになっています。

副業はしてもいいの?

実は、現在勤めている会社での仕事ではなく別の会社等での労働であれば副業が可能です。

その際、上記の減額措置が適応されるのは「雇用保険の被保険者を雇用している企業」、つまり元々働いていた会社のみ。そのため別の企業で一時的・臨時的に副業をしたとしても減額措置の対象にはなりません。
[参照:雇用保険法 第61条4-5]

なお、そもそも勤めている会社が副業禁止の場合は副業を行うことはできません。また副業が認めらている会社であったとしても、申請が必要な場合があります。必ず就業規則を確認しましょう。

一方で、受給要件には「育児休業期間中の就業日数が1ヶ月ごとに10日以下、もしくは10日を超える場合は就業時間が80時間以下であること」と規定されています。

あくまでも育児休業は子の養育のための制度ということです。別の企業での労働であったとしても恒常的・定期的だった場合は育児休業と認められない可能性がありますので注意が必要ですね。

ママと2人で育児休業を取得した場合は、確かに育児は大変ではありますが家事やママとの時間のあと少しであればパパの時間を設けることも可能だと思われます。

その時間を今後のキャリアアップに向けた学びやその中でできる副業の時間にあてることで、子や家族から一旦離れてリフレッシュとなるかもしれませんね。

ただし、それで寝不足や疲労が溜まって育児に影響した場合には、ママから…。
コントロールが重要ですね!

育児休業給付金の申請手続きについて解説!

これまで解説してきた育児休業給付金を受給するため必要な手続きがあります。
申請は、勤務先が申請してくれる場合がほとんど。必要な手続きや必要書類の準備は基本的には勤務先が行ってくれます。その際に、勤務先から提出すべき書類が案内されますので、適宜準備しましょう。

申請手続きの大まかな流れ

1.勤めている会社に育児休業を取得する旨を伝える
 └総務や人事部など育児休業の窓口に取得する旨を伝えましょう。その際に育児休業を取得する期間やタイミングなどを相談します。

2.必要書類の準備及び提出
 └後述の内容をご参照ください。必要書類に不備がある場合は支給に滞りが発生する可能性がありますので間違いないように余裕をもって。

3.事業主がハローワーク(都道府県労働局・公共職業安定所)に必要書類を申請及び提出をする
 └育児休業給付受給資格確認票・育児休業給付金支給申請書を提出

4.ハローワークが支給決定通知書及び次回支給申請書を交付する
 └審査ののち、被保険者が受給資格がありと認められた場合、ハローワークから事業所宛に被保険者の支給決定通知書が送られます。

5.育児休業給付金の受給
 └支給決定通知書が交付されてからおおむね1週間程度で、指定の口座に入金される

6.2ヶ月ごとの支給申請書の提出
 └原則として2ヶ月ごとに支給申請を行う必要があります。2回目以降は、支給決定通知書と一緒に交付された支給申請書を使用。

申請に必要な書類について

申請には以下の書類が必要になります。原則、会社から必要な書類一覧が伝えられるためそちらに従い準備する形で問題ありません。

  • 母子手帳のコピー(出生届出済証明のページで育児休業取得者名が記入されたもの)
    └病院が母子手帳に記載したページのコピー。母子の入院中や退院前までに記載されます。
  • 住民票(世帯全員記載”続柄”が省略されていないもの)
    └母子手帳のコピーの代わりとして必要に応じて。
  • 受給資格確認票(同意書があれば不要)
  • 本人名義の通帳のコピー (氏名や口座番号が記載されているページ)
     └申請書を手書きで作成されている場合必要に。キャッシュカードのコピーでも代用可能。

勤務先からではなく自分で申請を行うこともできる

通常、育児休業給付金の申請は勤務先から行なってくれます。しかし、勤務先で育児休業取得の前例がない、放っておかれているなどの場合は自分で申請をすることも可能です。ただ、育児休業給付金の申請には事業主の証明欄などが必要になりますので、会社にその旨を伝えるなどして協力体制を築いておくことが大切です。

自分で申請をするために必要な書類は「育児休業給付金支給申請書」と「育児休業給付受給資格確認票」です。

こちらについては、最寄りのハローワークから取得可能です。インターネットからダウンロードすることも可能ですが、書き方んなどはハローワークの方に教えてもらえますのでその場で確認しながら記載したりそのほかの必要書類を準備するほうが賢明かもしれません。

[参照:ハローワーク 育児休業給付の内容と支給申請手付き(2023年8月1日改訂版)]

まとめ

育児休業中は、ほとんどのご家庭で一時的な無給状態になりますので生活面が苦しくなりがちです。子が生まれ、不安な状況にある家庭においてこれから毎月いくらぐらいかかってくるのかなどの見通しも立ちづらいかもしれません。

育児休業給付金はたしかにフルで働いている際よりも実質的に約20%ほど減給された状態。決して十分とまではいかないかもしれませんが、それでも一部分は補填できます。

育児休業の取得を経済面が理由で足踏みされている方は、ぜひこの機会に検討してみてください。

 

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